【書籍】「盛り」の誕生-女の子とテクノロジーが生んだ日本美意識- 2019年4月18日
著書が完成しました!太田出版さんより4月18日発売です。『「盛り」の誕生 女の子とテクノロジーが生んだ日本美意識』。
発行日: 2019年4月18日
価格:2,400円
amazon:https://amzn.to/2v0VIym
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HBC北海道放送の夕方の情報ワイド番組『今日ドキッ!』の6月17日17時台に「女性に広がる”盛る”技術とは?」という特集があり、私もコメントさせていただきます。
放送局:HBC北海道放送(北海道ローカル)
番組:今日ドキッ!
特集:女性に広がる”盛る”技術とは?
放送日時:6月17日(月)17時台
URL:http://www.hbc.co.jp/tv/doki/
世界における化粧の中心地は、ファッションと同様にパリやニューヨークにあるだろうと考えるだろう。しかし一部の分野において、日本は世界をリードしているかもしれない。
それは私が「プラスチック・コスメ」と呼んでいる分野である。つけまつげや、カラーコンタクトレンズ、二重まぶた糊や、涙袋テープなど、液体やクリームや粉状ではない、プラスチック製の化粧の道具が、近年これまでよりも多様に販売されるようになっている。私たちをより大きく変身させてくれるこれらの技術は、プリクラなどのバーチャルな変身技術と相互に影響し合いながら、今後もさらに発展するのではないかと私は考えている。
プラスチック・コスメは、化粧品よりも化粧雑貨という分野に含まれるようだ。ネイル用品も同じである。百貨店の化粧品売り場よりも、ドラッグストアで多様な商品が展開されている。とくに多様なのが、ディスカウントストアのドンキホーテ。つけまつげの売り場は7~8年前頃から、カラーコンタクトレンズの売り場は1~2年前ころから拡大を続け、膨大な種類の商品が売られている。もしまだドンキホーテのそれらの売り場を見たことのない方がいたら、一度見て欲しいと思う。
プラスチック・コスメの象徴とも言える商品に「つけまつげ」がある。日本のドラッグストアで販売されているつけまつげは、外国人から注目されることもある。アメリカのメイクアップアーティストのミッシェル・ファンさんは、インターネットを使って注目を集めて日本でもよく知られるが、2009年に日本に旅行した時にドラッグストアを訪れたようで、その時のブログに「So many lashes!」と書いている。
>> http://michellephan.com/my-japan-trip-highlights-makeup-shopping-and-more/
また、アメリカのニューヨークマガジンのファッション情報サイト「The cut」は、2014年1月に、日本のドラッグストアで販売される化粧品についての記事を紹介した。そこでは日本のドラッグストアは、最も高品質で超低価格なメイクアップ化粧品を見つけられる場所だと書かれている。その理由は、日本のドラッグストア商品には厳しい生き残り競争だと書かれている。そして、日本の優れたドラッグストア商品として一番目の例に挙げたのがつけまつげだった。「日本ではあらゆる女性がつけまつげをしている」とも書かれている。
>> http://nymag.com/thecut/2013/11/7-best-japanese-drugstore-beauty-buys.html
具体的に、日本のドラッグストアではどれほどの種類のつけまつげが売られているのか。ディスカウントストアのドンキホーテの渋谷店で、2014年9月現在、販売していたつけまつげの商品名をリストアップした。パッケージに記載される企業名と、WEBサイトで各商品のシリーズのデザイン種類の数を調べ、整理したのが表1である。
表1 日本のディスカウントストアで販売されていたつけまつげ
(2014年9月現在,ドンキホーテ渋谷店)
人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会である「Think of Fashion 」の第19回の講師として、「シンデレラ・テクノロジー -beautyを考える:新デジタル時代のアイデンティティ・テクノロジー-」をテーマにお話させていただきました。
テーマ:シンデレラ・テクノロジー -beautyを考える:新デジタル時代のアイデンティティ・テクノロジー-
日時:2014年7月27日18:00 – 19:30
場所:コワーキングスペース「coromoza fashion laboratory」
http://za.coromo.jp/
講演概要:下記
理想のアイデンティティを作るための変身のテクノロジーのひとつに古くからメイクアップがありますが、今、情報通信技術の発展により革新が起きています。
第一に、コンピュータの顔認識や画像処理技術による革新です。これにより、プリクラのように、バーチャル・アイデンティティでは自由自在に変身できるようになりました。
第二に、ソーシャル・ネットワーク技術の普及による革新です。これにより、バーチャル世界のオンライン・アイデンティティが、リアル世界のアイデンティティよりも大きな影響力を持つ可能性が生まれました。
第三に、プラスチック・モデリング技術の発展による革新です。すでに、つけまつげや二重まぶた糊などのプラスチック製の化粧グッズをカスタマイズし、画像処理のような変身をリアルにすることが起きています。今後さらに3Dプリンタ等の普及により、個人で自由自在にモデリングして、リアル・アイデンティティを変身させられる可能性があります。
今回は、これら「シンデレラ・テクノロジー」の現状をご紹介し、それを活用した未来のビューティの展望について皆様と一緒に考えたいと思います。また日本の文化、技術の発展のための「ビューティ×テクノロジー」の協働を提案したいと思います。